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最高裁判所第三小法廷 昭和27年(あ)6213号 決定

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人長谷川天地の上告趣意(後記)第一点について。

論旨は単なる刑訴法違反の主張に止り刑訴四〇五条の上告理由に当らない(第一審判決は判示第一、二、三全部の犯罪事実につき一括して証拠を挙げた趣旨であり、ただ被告人の供述は判示二、三に関する部分を証拠とし、判示一に関する部分を証拠として援用しなかった趣旨であるから原判決の説明は正当である。論旨は判決の誤読による非難であって原判決には所論のような違法はない)。

同第二点について。

論旨は、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべき事由は認められない(本件小切手は純然たる反古ではなく所有権の目的となり得る財物と認められる)。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 井上 登 裁判官 島 保 裁判官 河村又介 裁判官 小林俊三 裁判官 本村善太郎)

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